ゲーム制作に携わっていると、多くの作品で「神様」が登場していることに気づきます。そう、ギリシャ神話、北欧神話、日本神話など、世界中の神話の神々がキャラクターとして取り入れられているのです。
なぜ、これほどまでに「神様」はゲームの中で人気なのでしょうか?
今回はその理由と扱う上で気をつけたいポイントを紹介していきます。
なぜゲームに神様題材のキャラが多いのか?注意点も解説
神様は「キャラ設定」がすでにできあがっている
一番の理由は、神様という存在にはすでにキャラ設定があるということです。
そのため、神話の中で語られている背景や性格、能力なども想像しやすく、キャラクターのベースとして非常に扱いやすいのです。
特にソーシャルゲームのようなキャラクターが多く存在するゲームでは、毎週新規にキャラを投入する必要があり、その際にある程度の設定がある神様題材のキャラはありがたいんです。
たとえば、「ゼウス」と聞けば雷を操る王、「ヘラクレス」と言えば怪力の英雄、「トール(ソー)」なら巨大なハンマーを持った雷神というイメージがすぐに浮かびます。キャラの性格や能力のイメージができているため、開発側もプレイヤー側もスムーズに受け入れられるのです。
ユーザーへ直感的に伝わる良さ
神様は多くの人が名前を知っているため、ゲームの中で「説明しなくても伝わるキャラ」として非常に便利です。ゼウスが出てきたら「この人はトップクラスの存在なんだな」、アレスが出たら「戦争の神で強そうだな」と自然に理解されるのです。
この“理解のしやすさ”は、ストーリーのテンポや演出のしやすさにもつながります。結果として、ゲーム全体の完成度も上がるのです。
【重要】使いやすい一方で「注意すべき点」
神様キャラを扱う上では信仰や文化への配慮がとても重要です。
神話の神様の中には、現代でも信仰されています。
過去には、ある大手ゲーム会社が神様をテーマにした作品をリリースした際、その宗教の信者から「神への冒涜」として抗議を受け、深刻な問題に発展したケースを聞いたことがあります。(本当にアサシンを送られたとかなんとか・・・)
作品としての創作であっても、宗教や文化に対して無配慮な描写は大きなトラブルを生む可能性があるのです。
神話を使うときに心がけたいこと
- リサーチを丁寧に行う
その神様がどんな意味や由来を持っているのか、どういった文化で崇拝されているのかを理解しましょう。 - 敬意ある描写を心がける
ユーモアや創作を加えるのはOKですが、侮辱的な表現は避けましょう。 - 創作とのバランスをとる
実在の神様の名前や設定をベースにしつつ、架空の要素やオリジナル設定を加えることで、トラブルのリスクを減らすこともできます。
まとめ
神話の神様は、設定が豊富でわかりやすく、ゲームに登場させるキャラクターとして非常に魅力的です。プレイヤーも直感的に理解しやすいため、世界観作りにも役立ちます。
ただし、信仰の対象であるという点を忘れてはいけません。リスペクトを持った描き方を心がけることで、ゲームとしての深みも増し、より多くの人に受け入れられる作品になるはずです。
神話の世界は、創造のヒントがたくさん詰まった宝の山です。ぜひ、敬意と工夫を持って活用してみてください!
おすすめ書籍